【九月が永遠に続けば】沼田まほかる



総帥にお借りした、本を年末にやっと読破。 ※もう総帥と書けば分かると思うので、仔細説明は省きます^^
体調が悪いことが続いたので、病院で待ち合う時間も多く、
それが奏功したのか、一気に読みました。

【九月が永遠に続けば】

沼田まほかる

著者の名前から、マジカル系の乙女チックな小説とばかり思いつつ読み始めたら、
のっけから、不倫の情事の話です。フーリガンのジョージではありませぬ。

ただ、恋愛だなんだこじれただの、そういう話ならつまらないなとも思ったのですが、
結果的には全然違います。

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高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠 れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―。人の心の底まで続く深い闇、そ の暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

描写や隠喩の使い方などの技巧は凄いなと感じました。
ただ、終始底知れぬ気持ち悪さに付きまとわれる作品。
まさに救われぬ人達が放置(幾つかの伏線も放置)されたままとでもいうような後味の悪さも。
最終的に何が言いたかったのか。
唯一、救われるのは服部のおじさん、この人憎めないですわ。


大分、絶賛されているようでしたが、人間の心情の移り変わりや、心の奥底の醜さを
表現させていることへの評価なら分かりますが、個人的にはなんとも。。。

ただ、興味深い一冊ではありますね^^