2019年4月に読んだ本

4月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:624
ナイス数:19

みかづき (集英社文庫)みかづき (集英社文庫)感想
昭和から平成へと続く物語。子供の教育に心を砕く人たち。時期はまさに平成から令和への元号替り。月になぞらえた、登場人物たちの心情。その心様の変わりよう、起きよう。時代をなぞらえるような史実との対比は物語に臨場感をなぞらえさせ、そして、我々の記憶を呼び覚ます。話の先へ先へと興味を誘いますな。真の平等な教育って何だろう。そう思わせます。
読了日:04月30日 著者:森 絵都

2019年2月に読んだ本

2月はほのぼの系の作品が大半かと思いきや、そうでもなかったようです。

読んだ本の数:4
読んだページ数:1066
ナイス数:91

3時のアッコちゃん3時のアッコちゃん感想
強烈な前向きさとパワーもつ黒川敦子、通称アッコさん。周りの行き詰まっている人や困っている人をお節介をしながらも、自分のパワーで巻き込んで助けていく。助けられる人たちの主観で語られる物語。一編めは前作でも出てきた三智子が、企画会議で行き詰まっているときにイギリスのティーパーティを持ち込んで解決してしまう。自分にも当てはまることもあり、面白く読めます。四編のうち、後半二編はあまり、アッコさんが関係ない感じで、個人的には要らなかったかなと。ほのぼのと前向きな気持ちになりたい方にはオススメですかな。
読了日:02月17日 著者:柚木 麻子

羊と鋼の森 (文春文庫)羊と鋼の森 (文春文庫)感想
羊と鋼の森。タイトルからミステリアスな印象でしたが、ピアノの比喩だったんですね。調律師という普段関わることのない職業の人たちの物語。 ピアノの音にさまざまな人の思いがまつわり、人それぞれのドラマがある。音へのこだわり。そこに調律師たちの個性や思いが交錯するさま。主人公の成長とともに描かれる模様は気持ちいいものでした。主人公の生まれ育った山村の情景と羊と鋼の森の対比がなぜか印象に残ります。
読了日:02月12日 著者:宮下 奈都

犯人に告ぐ(2)(下)  闇の蜃気楼 (双葉文庫)犯人に告ぐ(2)(下) 闇の蜃気楼 (双葉文庫)感想
クライムノベルともいえる犯罪者からの視点ではじまる。オレオレ詐欺。緻密な犯罪の組み立ては一種の推理ゲームを見て居るかのよう。そして、犯人たちが新たに企てる誘拐ビジネス。そこには金儲け以外の意思が加わり、この物語の根幹を築いて行くように思います。最後には誘拐は失敗に終わりますが、主犯は携帯電話の向こう。主人公巻島が”犯人に告ぐ”シーンが無理やり入っている感じで、前作程のスリリングさは感じられず。ただ、ラストは次作に引っ張られているので、次作も読んでしまうんだろうな。
読了日:02月02日 著者:雫井 脩介

犯人に告ぐ(2)(上)  闇の蜃気楼 (双葉文庫)犯人に告ぐ(2)(上) 闇の蜃気楼 (双葉文庫)
読了日:02月01日 著者:雫井 脩介

読書メーター

もつ焼き ブウちゃん@京成金町

京成金町の名店。人気店です。

もつ焼き ブウちゃん

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メニューを片っ端から頼んでみました。大ガリだけなかったかな。

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もつ焼き美味かった~~~!

満席のところ、席を詰めてくれたり、家族連れがいたり、
地元の人や常連に愛されているお店なんだと感じました^^

2019年1月に読んだ本

1月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3657
ナイス数:241

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)ランチのアッコちゃん (双葉文庫)感想
周りを気にしてばかりの派遣社員の三智子。お昼は自作のお弁当。彼氏に振られたばかりで冴えないとある日、敏腕部長のアッコさんから、一週間のランチを取り替えましょうという提案、指示?が。そこから、彼女の考え方を変えてしまう出会いや美味しいランチの数々と。アッコさんの前向きかつパワフルな様に、むふふな感じです。いきなり、その会社が倒産するなんてくだりもあるのですが、そこも逞しく切り開く様に惚れます。次回作あれば必ず読みたい作品です。
読了日:01月19日 著者:柚木 麻子
昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)感想
ほのぼのとして、出てくる人たちがさっぱりして気持ちいい人たちばかり。若くして未亡人となったテツコと、その後も同居を続けるギフを中心とした日常の物語。皆、大なり小なり悲しみや問題を抱えているんだけど、それに負けず、達観して前向きに生きてるとこがいいです。続きがあれば読んでみたくなります。一緒に酒盛りしたら楽しい奴らなんだろうな。
読了日:01月18日 著者:木皿 泉
これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)感想
経理からの否認は経験あるので、結構あるあるって感じで読めますかね。言うほど経理業務を掘り下げて居る訳でもなく、特異なキャラたちを際立たせ、経理=お金に絡んだストーリーを作り易くして居る感じでしょうか。どちらかというと会社内の人間模様やちょっとした謎解きみたいな感じです。少し密度が薄い気もしますが、続編が結構出て居るんですね、、、全部読むかどうか・・・。
読了日:01月11日 著者:青木 祐子
ノーマンズランドノーマンズランド感想
北朝鮮拉致問題に絡む物語。ある殺人事件と数十年を超えて失踪者を追う人たち。なかなかにハードな話です。日本人だったら感情移入してしまうかな。前作で同僚を殉職で失った姫川玲子の心の描写もなかなか。ラストはなんとも遣る瀬無い感じです。
読了日:01月09日 著者:誉田哲也
歌舞伎町ダムド (中公文庫)歌舞伎町ダムド (中公文庫)感想
東警部と歌舞伎町セブンのとくに陣内の関わりがいい。いうなれば、銭形のとっつぁんとルパン三世のような相反するけど、なんか通じあっているような。本作からジウシリーズの「新世界秩序」がやっと動き出す感じです。実態が見えない巨悪にどう立ちまわるか。ジロウの根拠のないミサキへの説得は小説ならでは、と感じてしまいましたが、最後にリストが手に入るあたり、なんとなくご都合主義的に感じてしまいました。おも白いからいいんですけどね。
読了日:01月09日 著者:誉田 哲也
歌舞伎町セブン (中公文庫)歌舞伎町セブン (中公文庫)感想
歌舞伎町を舞台にした不可解な連続死。そこに噂される歌舞伎町セブンなる都市伝説。それは殺し屋同士の殺し合い、その被害者達や町の関係する人々の関わり、警察との絡みによって話が進んでいきます。ジウシリーズの一作とのことですが、歌舞伎町が舞台ということ以外にあまり必然性はない気がします。ただ、幾つもの思惑が交差する様が最後に急展開するのはなかなか興奮します。最後にその人がそう来るかッて感じです。
読了日:01月08日 著者:誉田 哲也
ハング (中公文庫)ハング (中公文庫)感想
冒頭のほのぼのとした始まりから急転直下、主要人物の自殺。次々と主要人物がひどい目にあっていく流れはなかなかにハード。誉田作品は生い立ちが悲惨なヒールが多いけど、本作もそう。大小の権力者の思惑に翻弄されて罪を重ね、言われもない被害者を増やして行く。仇のために悪にたなびく津原の心境は理解できるようなできないような。
読了日:01月06日 著者:誉田 哲也
国境事変 (中公文庫)国境事変 (中公文庫)感想
対馬の不審船、新宿での在日の殺人事件、異なる地点を結ぶのは事件ではなく事変。日米朝を巻き込んだ展開は全容が見え始めると面白い。そして、それらに翻弄される在日の人々の描写。遣る瀬無い思いもします。公安警察(川尻たち)と刑事警察(東)の合い入れぬさま、決して交わらない部分にはやきもきし、警官としての矜持に少なからずの共感があるというところに燃えます。ジウシリーズとの関連が見えづらいですが、スケール感ある一作です。
読了日:01月04日 著者:誉田 哲也
検事の死命 (角川文庫)検事の死命 (角川文庫)感想
短編と思える三編。二編目は、過去の本懐を知ってる人ならウルっと来そう。それ以外も貞方の人柄が響きます。やはり、正義を第一にするのでしょうか。いやはや、その一貫性に脱帽です。二編目も実はそうなんですよね。お父さんの姿勢は愚直なまでに、せいぎを重んじる。ゆえの苦悩です。話自体は凡庸と思いがちですが、根底に流れる思想は、正義重視なんですね。最後まで読むとわかります。
読了日:01月04日 著者:柚月裕子
ノワール-硝子の太陽 (中公文庫)ノワール-硝子の太陽 (中公文庫)感想
ジウシリーズ。主人公は新宿署の東警部と新宿の裏の治安組織歌舞伎町セブン。誘拐事件、セブンのメンバーの惨殺事件、公安が絡んだ沖縄の軍用地転売事件が、別々の事件の様相を呈しつつも絡んできます。飛躍しすぎな展開とスピード感が爽快ではあります。実態を見せない巨悪の尻尾をつかみ損ねるラストが次回作への誘い水ですな。勝俣の嫌われぶりが相変わらずなのは意外と嬉しいところ(笑)ただ、過去シリーズや並行する姫川シリーズ【ルージュ】が分からないとお預け感を感じるのも事実。
読了日:01月02日 著者:誉田 哲也

2018年12月に読んだ本

12月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2665
ナイス数:59

なんと、ビジネス書なし。やばいーーー。

幻夏 (単行本)幻夏 (単行本)感想
夏の日の思い出、たった数日の間の出来事。警察、検察、司法の歪んだ矜持のために歪められた人生。とある誘拐事件に隠された裏側。悲痛な思いも権力者の思惑の前には砂上の楼閣。ゆえの復讐。緻密に組み上げられたが、その母親と少年の頃の親友に狂わされていく。悲しい、遣る瀬無い思い。しかし、その復讐のために犠牲になる人たちがいることは許されない。相馬の矜持と、鑓水たちの機転で事件は解決に。しかして、人の人生を狂わせながら安穏としている奴らに一矢報いるさまは良いのかも。
読了日:12月24日 著者:太田 愛
犯罪者 下 (角川文庫)犯罪者 下 (角川文庫)感想
通り魔事件の被害者の共通点。メルトフェイス症候群の証拠を不法投棄した際の目撃者に仕立て上げられたことだった。そう巻き込んででもタイタスフーズの悪行を明らかにしようとした真崎も殺された。その遺志を継ぐことを決めた鑓水たち。打つ手なしに思えたが、鑓水がテレビを巻き込むことで、殺し屋の口から証拠を引き出す。綱渡りのようなトリックは相馬が殺し屋を撃つことでなんとか成立し、真崎の遺志をなんとか果たす。ヒリヒリするほどの緊張感が織りなすミステリーは流石にテレビの脚本家なんだなと思わせます。
読了日:12月19日 著者:太田 愛
犯罪者 上 (角川文庫)犯罪者 上 (角川文庫)感想
メルトフェイス症候群。リアルにあったらかなり凄絶な病気。それを取り巻くいくつもの事件。始まりは凄惨な通り魔事件。無差別かと思われる事件は次第に必然性に結びつきそうになる。現れる殺し屋、不敵な政治家とその秘書。無関係と思われる事柄が結びつく伏線の張り巡らしは流石。元テレビマンの鑓水、通り魔事件の被害者の修司、一刑事の相馬。3人の交わりと作戦会議をやっている様がなんだかワクワクします。
読了日:12月17日 著者:太田 愛
天上の葦 下天上の葦 下感想
瀬戸内の島で、渋谷の交差点で絶命した老人の縁者を探しつつ、失踪した公安刑事の行方も探す。その一方で監禁されている男の描写。もしやと思いながら予想は裏切られます。過去な戦争で大本営の犯した罪、それを繰り返そうとする権力者。その手先の公安とのギリギリの駆け引き。島の老人たちの戦いにも胸熱くします。ラストの元テレビマンの鑓水の仕掛けるトリックがありえないほどギリギリでハラハラします。最後まで鑓水、修司、相馬のキャラがたっており、無駄口の掛け合いも楽しめます。
読了日:12月17日 著者:太田 愛
天上の葦 上天上の葦 上感想
渋谷のスクランブル交差点で天空を指差して絶命した老人。SFのような出だしに興味を引きます。主人公の探偵とその助手、友人の刑事。3人のキャラが見事に立っています。話は弱みを握られた探偵がくだんの老人が何を指差したかの調査を受け、刑事は公安の密命をを受け行方不明の公安刑事を探します。二つの筋書きは交差し、核心は太平洋戦争末期まで遡ります。公安の密命の裏に気づいたばかりに、あらぬ罪で手配をかけられた三人。痛快な逃亡劇は瀬戸内の小島まで。場面転換と情景が織りなす雰囲気は独特の没入感に浸りつつ、下巻に続く。
読了日:12月15日 著者:太田 愛
ルージュ: 硝子の太陽 (光文社文庫)ルージュ: 硝子の太陽 (光文社文庫)感想
姫川シリーズ。犯人の記憶から始まる冒頭。今の事件との関わりは?そう思わせる展開です。しかして、輻輳する事件と過去の事件が交わる様までの展開がなかなかいいですな。輻輳する事件はあまり触れられないので、他のシリーズへのアプローチなのか。最後の犯人を特定する場面は、地道な捜査の賜物とも言えますが、結末はなかなかにシビアなもの。他シリーズへの引っ張り方が狙いすぎてて鼻につきますが、ドラマ性と言う意味ではなかなかな作品です。
読了日:12月02日 著者:誉田 哲也

読書メーター