2019年1月に読んだ本

1月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3657
ナイス数:241

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)ランチのアッコちゃん (双葉文庫)感想
周りを気にしてばかりの派遣社員の三智子。お昼は自作のお弁当。彼氏に振られたばかりで冴えないとある日、敏腕部長のアッコさんから、一週間のランチを取り替えましょうという提案、指示?が。そこから、彼女の考え方を変えてしまう出会いや美味しいランチの数々と。アッコさんの前向きかつパワフルな様に、むふふな感じです。いきなり、その会社が倒産するなんてくだりもあるのですが、そこも逞しく切り開く様に惚れます。次回作あれば必ず読みたい作品です。
読了日:01月19日 著者:柚木 麻子
昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)感想
ほのぼのとして、出てくる人たちがさっぱりして気持ちいい人たちばかり。若くして未亡人となったテツコと、その後も同居を続けるギフを中心とした日常の物語。皆、大なり小なり悲しみや問題を抱えているんだけど、それに負けず、達観して前向きに生きてるとこがいいです。続きがあれば読んでみたくなります。一緒に酒盛りしたら楽しい奴らなんだろうな。
読了日:01月18日 著者:木皿 泉
これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)感想
経理からの否認は経験あるので、結構あるあるって感じで読めますかね。言うほど経理業務を掘り下げて居る訳でもなく、特異なキャラたちを際立たせ、経理=お金に絡んだストーリーを作り易くして居る感じでしょうか。どちらかというと会社内の人間模様やちょっとした謎解きみたいな感じです。少し密度が薄い気もしますが、続編が結構出て居るんですね、、、全部読むかどうか・・・。
読了日:01月11日 著者:青木 祐子
ノーマンズランドノーマンズランド感想
北朝鮮拉致問題に絡む物語。ある殺人事件と数十年を超えて失踪者を追う人たち。なかなかにハードな話です。日本人だったら感情移入してしまうかな。前作で同僚を殉職で失った姫川玲子の心の描写もなかなか。ラストはなんとも遣る瀬無い感じです。
読了日:01月09日 著者:誉田哲也
歌舞伎町ダムド (中公文庫)歌舞伎町ダムド (中公文庫)感想
東警部と歌舞伎町セブンのとくに陣内の関わりがいい。いうなれば、銭形のとっつぁんとルパン三世のような相反するけど、なんか通じあっているような。本作からジウシリーズの「新世界秩序」がやっと動き出す感じです。実態が見えない巨悪にどう立ちまわるか。ジロウの根拠のないミサキへの説得は小説ならでは、と感じてしまいましたが、最後にリストが手に入るあたり、なんとなくご都合主義的に感じてしまいました。おも白いからいいんですけどね。
読了日:01月09日 著者:誉田 哲也
歌舞伎町セブン (中公文庫)歌舞伎町セブン (中公文庫)感想
歌舞伎町を舞台にした不可解な連続死。そこに噂される歌舞伎町セブンなる都市伝説。それは殺し屋同士の殺し合い、その被害者達や町の関係する人々の関わり、警察との絡みによって話が進んでいきます。ジウシリーズの一作とのことですが、歌舞伎町が舞台ということ以外にあまり必然性はない気がします。ただ、幾つもの思惑が交差する様が最後に急展開するのはなかなか興奮します。最後にその人がそう来るかッて感じです。
読了日:01月08日 著者:誉田 哲也
ハング (中公文庫)ハング (中公文庫)感想
冒頭のほのぼのとした始まりから急転直下、主要人物の自殺。次々と主要人物がひどい目にあっていく流れはなかなかにハード。誉田作品は生い立ちが悲惨なヒールが多いけど、本作もそう。大小の権力者の思惑に翻弄されて罪を重ね、言われもない被害者を増やして行く。仇のために悪にたなびく津原の心境は理解できるようなできないような。
読了日:01月06日 著者:誉田 哲也
国境事変 (中公文庫)国境事変 (中公文庫)感想
対馬の不審船、新宿での在日の殺人事件、異なる地点を結ぶのは事件ではなく事変。日米朝を巻き込んだ展開は全容が見え始めると面白い。そして、それらに翻弄される在日の人々の描写。遣る瀬無い思いもします。公安警察(川尻たち)と刑事警察(東)の合い入れぬさま、決して交わらない部分にはやきもきし、警官としての矜持に少なからずの共感があるというところに燃えます。ジウシリーズとの関連が見えづらいですが、スケール感ある一作です。
読了日:01月04日 著者:誉田 哲也
検事の死命 (角川文庫)検事の死命 (角川文庫)感想
短編と思える三編。二編目は、過去の本懐を知ってる人ならウルっと来そう。それ以外も貞方の人柄が響きます。やはり、正義を第一にするのでしょうか。いやはや、その一貫性に脱帽です。二編目も実はそうなんですよね。お父さんの姿勢は愚直なまでに、せいぎを重んじる。ゆえの苦悩です。話自体は凡庸と思いがちですが、根底に流れる思想は、正義重視なんですね。最後まで読むとわかります。
読了日:01月04日 著者:柚月裕子
ノワール-硝子の太陽 (中公文庫)ノワール-硝子の太陽 (中公文庫)感想
ジウシリーズ。主人公は新宿署の東警部と新宿の裏の治安組織歌舞伎町セブン。誘拐事件、セブンのメンバーの惨殺事件、公安が絡んだ沖縄の軍用地転売事件が、別々の事件の様相を呈しつつも絡んできます。飛躍しすぎな展開とスピード感が爽快ではあります。実態を見せない巨悪の尻尾をつかみ損ねるラストが次回作への誘い水ですな。勝俣の嫌われぶりが相変わらずなのは意外と嬉しいところ(笑)ただ、過去シリーズや並行する姫川シリーズ【ルージュ】が分からないとお預け感を感じるのも事実。
読了日:01月02日 著者:誉田 哲也