【外事警察】麻生幾

このところ警察小説にはまってましてん。

外事警察

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映画にもドラマにもなりましたね。

著者は麻生幾
元、週刊文春の記者だそうで、この小説を書くのにあたって、かなり調査をしている感じです。

日本国内で国際テロに対抗する極秘組織・外事警察。彼らの行動はすべて厳しく秘匿され、決して姿を公に晒さない。熱気をはらんで展開する非情 な世界を描き切った傑作警察サスペンス小説!

アメリカで言えばCIA、ソビエトならばKGBイスラエルならばモサド
各国が諜報機関の保持している中、日本は無防備状態!

ってことで、日本を標的としたテロリズムに対して、主人公達が
属する警視庁配下の秘匿組織が孤軍奮闘するのです。

かなり、ディテールが込み入っています。
尾行する際の注意事項やらなんやらが、実際はどうか分からないけど、
リアリティにとんでいます。グッド。

そもそも日本をテロが襲うのか?という対テロ組織の存在すら疑問視する周囲、
縦割り行政の悲哀やらも織り込まれています。
さらに、一企業のビジネスマンの思惑や、医者や看護師、いろいろな人々の
思いも交錯するのです。

なかなかに着眼点もよく、面白い作品です。


ただ、登場人物の多さにも関わらず、説明が結構簡素なので、あまり
人間関係なんかが頭に入ってこず。
さらに、詰め込みすぎた感じもあり、なんか映像化前提で書いたという
後書きの経緯を如実に著しています。映像で見るべきか・・・。