【鼓笛隊の襲来】三崎亜紀

なんていうか、

最近は読書をしないと時間が無駄に過ぎていく、
そう感じてしまうことが多いのです。

日々の疲れに揺れているだけの通勤の電車内。
その時間が無駄。本でも読まないと。

そう感じるのです。


さて、初作品以来何作か読んでいます。
となり町戦争
バスジャック
失われた町

なにせ、奇抜な設定が好きな作者です。
奇抜でありえない設定ながら、リアルな社会にそれを埋め込んでいる。

そんなところが設定マニアの僕には嬉しいところですかな。

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鼓笛隊の襲来

9編の物語からなる短編集です。

鼓笛隊の襲来
彼女の痕跡展
覆面社員
象さんすべり台のある街
突起型選択装置
「欠陥」住宅
遠距離・恋愛
校庭
同じ夜空を見上げて

台風の襲来を鼓笛隊に置き換えた物語から始まります。
てっきりハーメルンの笛吹きみたいな話かと思ったらそうじゃない。
なんていうか、嫁姑や老人介護問題も踏まえつつのアットホームな話。

象さんのすべり台は、すべり台が本物の象。しかも喋る象。
そんな設定が当たり前な世界でのノスタルジックな話。

同じ夜空を見上げては、本当に短い。
でも、なんていうかロマンティック。

中にはぞっとする話もあり、謎が謎をよぶ結末もあり。

ただ、なんていうか、奇抜さとともに誰にでもある日常がそこにある。

すっかりと三崎ワールドにはまったのです。