『ヘウレーカ』 寄生獣の岩明均の作品

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結構知っているヒトは少ないと思う。


『ヘウレーカ』


読みきりものの単行本1冊の作品だ。



著者は『寄生獣』のヒットを出した岩明均だ。

そっけない画風だが、よく練られたシナリオは本作でも伺える。




時代はギリシャローマ時代。
イタリア半島が蹴飛ばした小石とも言われる、シチリア島都市国家シラクサが舞台だ。




主人公はスパルタからの亡命者ダミッポス。
兵士でもなくプー太郎っぽい、だめそうだがそうでない。



シラクサカルタゴと手を組む支配階層のためにローマと敵対関係となり、シラクサに住むローマ人が迫害をうけるところから物語りは本格的に動き出す。



ダミッポスはスパルタ人であるので関係ないが、恋人のクラウディアがローマ人であるため彼女を守る為に動き出す。
彼女をかくまってくれたのが、かの有名なアルキメデス

しかし、ローマと闘う為に支配階層のエピキュディスじはアルキメデスの発明品に目をつける。
高齢のアルキメデスに代わって屋敷に居たダミッポスが発明品の実用について代わりを務めることになる。

発明品は見事にローマ軍を圧倒的に虐殺した。
巨大な起重機、エウリュアロスの車輪、回転する刃。
しかし、その間にローマ人であるクラウディアはエピキュディスの手下に拉致されてしまう。

ダミッポスは彼女を助ける為に、エピキュディスに掛け合い、ローマ軍の退散と交換に彼女を貰い受ける約束をする。

翌日、ダミッポスは手鏡を携えた女性達を引き連れて、海辺に集まる。
太陽光を反射させて集めることで、ローマ軍の船に炎をつけるという戦法を編み出した。


船籍7つに被害をもたらす功績で恋人を助けだすが、シラクサでのローマ人の安全は保障できない。

ある夜、シラクサからローマに逃げ出すことに決める。
しかし、見張りに見つかりクラウディアは殺された。
ダミッポスは瀕死のところをローマ船に助けられた。


ダミッポスは復讐のためにローマの将軍マルスケスに掛け合い、アルキメデスシラクサ市民の安全を条件にシラクサ攻略の手順を示す。皮肉にもその攻略ポイントはクラウディアとデートを重ねた場所であった。



ローマはそのあまシラクサを攻め落とす。



マルスケスとの約束どおり、シラクサカルタゴ派からローマ軍に安全に移管されたように見えた。

だが、実際はローマ兵の横行は行われており、アルキメデスはローマ兵のつまらない怒りに触れて殺される。



親愛なる人々を失うことで、戦争のむなしさ、征服欲のむなしさを痛感したダミッポスはシラクサを後にする。



★★★


歴史ものとしては面白い。
アルキメデスの発明品も目をひく。

話しの更正が面白いのだろう。

マイナーだけど面白いマニアックな作品だ。