海辺のカフカを読んで

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海辺のカフカを最近読みきった。

上下巻と結構なボリュームだが、はまるとぐいっと読み干せる。



読後の感想は「謎がおおいな・・・。」というものだ。



あらすじは、ちょっと変わった15歳の少年がさまざまな出来事を通して成長していくというものだ。

”さまざま”という一言では片付けられないほど興味深いこと、不可解なこと、奇人変人が出てくる。



心情描写や景観の描写の美しさは、類まれなものを感じる。
海外版では翻訳しきれるか不安だ。

読んだ人間は文中の甲村図書館に行ってみたいと思うこと請け合いだ!


登場人物もありがちではない。

大島さんにさくら、佐伯さん、ホシノ君、ナカタさん、サダさんと魅了的な人物の会話を聞いているだけでも面白い。
夏の高知の風景をバックにした人間模様が想像できる。


カラスという名の少年、ジョニーウォーカーカーネルサンダース、など最後まで謎の登場人物も居る。
各々が白と黒に分けられるような存在で描かれている。



そして、登場人物、なぞよりも設定に驚かされる。

話しのキーとなる不可解な出来事について、細かい設定は説明されていないのだが、話しの流れから推測が出来る。
「入り口の石」というキーワードを元にあらゆる登場人物が絡み合っていく、”記憶”と”時間”を軸として、直接出会わないものも居れば、いつの間にかこの上なく重要な絡みを見せるものも居る。




四国の森の中にある不思議な場所、古代神話の黄泉の国の話しにも似ている。




さまざまな隠喩ともとれる不思議な話しの展開が惹きつけてやまない。





最後まで謎謎々、まったくもって不思議の一言だが、面白かったといえるだろう。

もう一回ぐらい読み返してもいいかなと思う。