グラスホッパー/仮面病棟/ロスジェネの逆襲/七つの会議

借りてる本も読まずに、ついつい買ってしまった本です。
お借りしている方々、すんまそん。いつか恩返しをします!


グラスホッパー
伊坂幸太郎


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復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
伊坂作品に多い、殺し屋ネタ。
相変わらず、パラレルストーリーが交差し、
紡がれていく伏線の回収能力には脱帽です。

気障なセリフが多いのもいつも通り。
少々飽きを感じつつも、スタイリッシュさに満足です。


仮面病棟
知念実希人

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怒濤のどんでん返し、一気読み注意!!
強盗犯により密室と化す病院。息詰まる心理戦の幕が開く!

療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。
先輩医師の代わりに当直バイトを務める外科医・速水秀悟は、事件に巻き込まれる。
秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る――。
そして「彼女だけは救いたい……」と心に誓う。
閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。迎える衝撃の結末とは。

実際の医者が著者。
少しはなしに無理があるかなぁと思いつつも、
医療事情と医療犯罪を盛り込んだ一作。単なるパニックムービーではない。
宿直医がバイトなんて、我々じゃわからないです。


ロスジェネの逆襲
池井戸潤


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ドラマで大人気の「半沢直樹」シリーズ第3弾! !

人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
ドラマ化も果たした「半沢直樹」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は、バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。
親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作!

半沢直樹シリーズ
主役は半沢ですが、ロスジェネ世代の若者(もうミドルか)の葛藤や
奮闘が面白いです。
こんなに上手くいくのか?なんて思うのですが、切った張ったの
痛快なやりとりににんまりしてしまいます。


七つの会議
池井戸潤


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この会社でいま、何かが起きている―。
トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ"で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長・八角だった―。
いったい、坂戸と八角の間に何があったのか? パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。
どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。だが、そこには誰も知らない秘密があった。
「夢は捨てろ。会社のために、魂を売れ」「僕はどこで人生を間違えてしまったのだろうか」……筋書きのない会議(ドラマ)がいま、始まる。

最初は、一つの会社を軸にした人間模様の短編集と思ったのですが、
7つのサイドストーリーが最後に収斂したラストにつながってます。
品質問題をテーマにした企業の闇に触れる作品です。
過去の経緯から含めて、一人の登場人物の印象が変わっていくさまが
痛快です。
主役が誰なのか、最後にわかります。