【鉄の骨】池井戸潤

刑事者の本ばっかり読んでいたので、
毛並みの違うものをチョイスしてみました^^

【鉄の骨】

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会社がヤバい。彼女とヤバい。

次の地下鉄工事、何としても取って来い。――「談合」してもいいんですか?

中 堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く ――技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に、「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間 ドラマ!

池井戸潤

最近、流行ってますねこの作家。
下町ロケットやら、なんやら。

企業の話とか得意みたいです。


個人的に、公共事業は他人事じゃないので、ちょっと興味を持って読みました。
既にドラマ化されていたり、賞を取っていたり、人気作のようです。

結構分厚い文庫なんですが、かなり面白く、さくさく読めました。

公募や指名など、幾つか種類はあれど、入札制度は確かに疑問です。
ありえない単価、曖昧な責任、まぁ、なんともいえない制度なんです。

歯止めの利かない値引き競争と共倒れ。それを防ぐための談合。談合を利用した官製談合。
たしかに、そうなんだろうなと思いながら見ていました。


物語は、建設会社の視点のみならず、主人公の家族や、恋人、
融資元の銀行や、政治家、はたまた談合摘発を目論む検察まで、
いろいろと絡んでくるので、飽きさせません。


主人公とキーマンを関わらせたのは何故か?
ラストを導いた常務の思惑が推測でしか語られないが、実際はなんだったのか?
少し、モヤモヤが残りますが、ノープロブレム。

学生なんかだと分からないけど、社会人だったら間違いなく楽しめる作品かと。