【洋画】 砂と霧の家を見ました。

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                    『砂と霧の家』

                   原題は直訳そのまま

            『House of Sand and Fog』

 ジェニファーに惹かれて借りてみました。そうです。動機は不純です。

 ですが、この作品は結構きますヨ。

 ストーリーは、亡き父が残した海辺の一軒家に住んでいるキャシー・ニコロ(ジェニファー・コネリー)。結婚生活に失敗し、夫に去られた彼女は、仕事もなく一人失意の日々を送っていました。遠くに住んでいる母には、そのことを言えず、「幸せにしている」と電話で嘘をつくキャシーなのです。ところがそんなとき、たった数万円程度の税金未払いから、家を差し押さえられてしまうことに。後に、それが行政の手違いであったことが判明するのですが、すでに家は他人の手に渡っていたのです。

 新しく家主になったのは、政変でイランを追われ、アメリカに亡命したベラーニ元大佐(ベン・キングスレー)の一家です。かつて、優雅な生活を送っていたベラーニも、今は肉体労働に身をやつしている。献身的な妻ナディ(ショーレ・アグダシュルー)と愛する息子のためにも、新しい家でもう一度、人生をやり直そうと心に誓うベラーニ。美しい夕日と海が見えるその家は、彼が故郷で持っていた別荘に似ていたのです。

 家を失ったキャシーは、弁護士にを雇うが返却交渉はうまく行かず、レスター警官(ロン・エルダード)の力を借りて、ベラーニに家を返すように詰め寄るが、応じてもらえない。
父との想い出を守ろうとするキャシーと、新たな生活へ希望を託すベラーニ。それぞれの思いで家に固執する2人の対立は、徐々に激化していく。そして、幸せを求めるための争いは、皮肉にも彼らに幸せの本質を見失わせてしまうことに。

 そんなとき、2人の目を開かせたのは、妻ナディと息子の無償の優しさだった。自分が本当に求めていたものが、家ではなく家庭であることに気付いた彼らは、ようやく心通わせる。しかし、すでに狂ってしまった運命の歯車は、元には戻らない。つかの間の平和の後、彼らを待っていたのは、あまりに悲しい運命だった・・・。
 
 本当にラストとそれに至るまでのキャシー、ベラーニ、ナディ、息子、レスター、レスターの家族の心の動きが名優たちの演技によってスクリーンから流れ出てくる。
悲しい、苦しい気持ちとそれをつつむような優しい気持ちを感じることが出来ます。そして優しさを受け止めきれずゆがんでしまった気持ちも。


悲しい



 それにしても本当にこんなラストあってもいいのか、と思えるラストです。本当に悲しみの霧に包まれて砂漠を彷徨うような気持ちになってきます。やるせない気持ちがいっぱいです。
 また暗示のような美しい風景が現代とベラーニの回想の中を行ったりきたりして人の心の動きに拍車をかけます。



 主演は日本でも人気のジェニファー=コネリー。ショーン=コネリーとは関係ありません。『ビューティフル・マインド』でアカデミー助演女優賞に輝いている。今回は体当たりの演技が鬼気迫るものがあります。人間の強さと弱さを見事に引き出しています。

 もう一人の主演(と言ってもいいでしょう。)はベラーニ元大佐役のベン=キングスレー。イギリス出身の名優、植民地だったインド・中東系の血が入っているの?
今までに『ガンジー』でアカデミー主演男優賞。『シンドラーズリスト』などでも米英でノミネート。本作でもノミネートされている。X-MENのプロフェッサーX:チャールズ=エグゼビア役のパトリック=スチュアートと見分けがつきませんが、別人です。

 あとは凶行に走るレスター警官役にロン=エルダード。あまり知らない人も多いが、『ER緊急救命室』の救命士シェップ役をやっている。短気で生意気でケリーに首にされた奴だよねたしか?そのほかには『スリーパーズ』ではブラッド=ピットの幼馴染のジョン=ライリーを演じている。
 


あまり大ヒット系の作品ではないが、予想以上によかった。

まだの人が居たらお勧めします。

そして観た事がある人は、悲しみに耐えられるのならまた観て下さい。
私はもう観れません。耐えられません。なにせあんなことがおきるのですから・・・