【空飛ぶタイヤ(上下)】池井戸潤


借りたものを、返さないのはジャイアン
返すのが遅くなっているだけなのは僕。

図書館総帥のLIBRAさんからお借りしたシリーズ。
今回は僕が好きな池井戸潤
かなり期待していました。

空飛ぶタイヤ(上下)】

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トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警 察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの 事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。
実在する事件もモチーフにしてますね。
そのころ、友人がその某自動車会社に居たので、結構気にしていたのを憶えています。

結論から言うと、メチャクチャ、面白かったです。
ラストがちょっと作者の思い入れが入っていそうな気がしたんですけどね。

被害者家族の心情、振り回される主人公の家族。大企業の中の思惑。
各登場人物がすなわち主人公、とも言うべきなほど、それぞれのエピソードが
際立っています。アメリカドラマのERみたいですね。

被害者の息子の書いた手紙のシーン、目頭が潤っときました。
主人公の息子が濡れ衣を晴らしたシーン、胸が熱くなりました。
刑事が自らの過ちを認めて主人公に侘びを入れるシーン、鼓動が早鐘を打ちました。

上巻だけで内容は濃いので、下巻まで膨らむ必要はないかと思ったのですが、
下巻の展開は文庫本の厚さをまったく感じさせない興奮の連続です。


大企業の内側に居る人々。たしかに、こんな感じです。
まぁ、最近はこんな感じじゃやっていけないので、
変りつつありますが、上層部の方針だけで現場は付いて行けてないかも。


WOWOWでドラマもやっていたみたいですね。