【あるキング】伊坂幸太郎

イメージ 1

こないだ、ゴールデンスランバーを買ったら、
脇で平積み。

ちょいと量が少なめに見えたので、さくっと衝動買い。
ルミネの10%オフで買いました。

【あるキング】

弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。すべては「王」になるために――。人気作家の新たなるファンタジーワールド。 

なんか目次の並びを見ているとオチが見えてきましたが。。。

物語の語り手が章によって異なるので、少し戸惑います。
そして、伊坂幸太郎の緻密ならしさがあまり出てこない。
殺してるのかなって感じ。

ただ、そこかしこの伏線の張り方はいつも通りのらしさ。

緑の獣、黒尽くめの三人の女。一体なんだったのだろう。

運命とは、命を運ぶもの、自らのさじ加減で道を進むもの。そう思いたいものだが。
かたや、生まれる前から決定されているものは、命に宿るもの、宿命だろう。
宿命の前では何事も努力の仕様が無いのか。
しかし、王求がキング足りえたのは自らの命を運ぶべく努力をし続けたからに他ならない。

また、宿命によって避けえぬアクシデントに見舞われるのだが。

全ては必然の如くくり返される。

そんな輪廻転生を感じる作品だ。

趣は違ったけど、結構面白かった。
ただ、脇役にもっと深堀がほしかったかなぁ。