ストライカー不在の国

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 サッカー雑誌は数あれど定期購読しているものはない。
 敢えて言うならこのNUMBERだろう。
 とくに特別版のNUMBER PLUSはほぼ買っている。
 で、このカンナバーロカップを掲げている号は普通の号なので、K-1やらなんやらも載ってるんだが、W杯総括の最新号ってことで買った。



面白いのは各国メディアの日本代表評。特に1次リーグの対戦国の番記者どもの意見だ。
ジーコは有能な監督ではない。
・チームとしてのまとまりがない。
・闘争心がない。
・ストライカーがいない。

ま、私が注目したいのは最後のストライカーがいないってところ。

いや、居るんですよ。


ほら。

あれ。

あの人。



・・・ってメキシコ五輪じゃん。もう還暦越してるよ。


居た!

ほら。



・・・あいかわらずダンディだけど、キングだけど、もう違うんだ。。。


ってことは。。。


・・・もはや4年後はサッカー選手であり続ける事に目標が変わっているよ。。。



居ない。居ないね。たしかに仰る通り。

よくアホのTV局アナウンサーが
「FW枠の争いは熾烈です。誰が選ばれてもおかしくありません!」
なんて言っていたけど、選ぶってよりは消去法の方が正解だったね。


    で?


なんでこのタイトルにこの記事の流れか?


実はこの号のノンフィクションに近藤篤と言う人がある一人のプレーヤーのことを書いている。

 正確には元プレーヤー


彼の名は小倉隆史


最近じゃスーパーサッカーの解説者(解説になってませんが^^;)をやっている。

そう、彼のノンフィクションだった。


今思うとストライカーと呼べる典型的な選手だったのかな、なんて思う。

正確で鋭いキック。

崩れないボディバランス。

どこでも点を取れる感覚。

今の代表選手と比べても全盛期のオグの方が優れている気がする。


しかし、マレーシアでのアトランタ五輪合宿での怪我。
あれのせいで全ては狂ったと思っている。

彼のその後の奮闘ぶりはこの記事を読んでことさらに分った。



貪欲にサッカーにゴールに食いつく姿勢。
そしてストライカーっていうとまずアイツ!ってなかんじで認知されること。

これが重要。まずヒデありき、俊輔ありきという感じでFWにも人材が欲しい。
ドイツW杯の代表じゃそういう奴の名前が出てこない。せいぜい高原か。


小倉が居れば・・・・・


そんなことを思うのは罪な事だが、思ってしまう。
92年の選手権のゴールは今でも憶えている。



で、まぁ、感傷的な記事じゃなくて。

次世代はどうか?ってこと。

ジーコの功罪の一つに次世代の育成をやっていないってのがある。
彼はおよそブラジルの代表監督以外できないんじゃないかな?

鼻くそほじってる間に勝手に優秀な選手は出てくる、11人適当に決めておけば試合に勝ってくれる。そんな国じゃありません日本は。(イマドキブラジルでも通用しないか。。。)



日本でストライカーっていうと、しかも4年後を見据えると、高原(もうおっさんだね、生え際とか)、玉田、巻(無理かな)、平山(遅いね)、大久保(キツイカ?)、ハーフナー(どうなんだろ)、まぁパっと思いつきません。



ど~したらストライカーって出てくるのか?


そもそも日本って、出る杭は打たれる、みんなで渡れば怖くない、ってところで目立つ事を嫌う民族だよね。俊輔のラストパスを決められる喜びってのに共感してしまう民族なんだ。

いぶし銀っていうのかな?

ルパンよりは次元や五右衛門になりたいっていう願望といっしょかな。

それにサッカー漫画みても主人公はMFなんだよね。

翼君に翼君に翼君。
好きな選手もマラドーナプラティニフィーゴベッカム、この辺に集中しちゃう。

それは得点という大きな成果(責任)を一人で負わされてしまうってことに
恐れを抱いているのかなって思う。恐れってのは外したらどうしようっていうアレだ。


あとは
ベストを尽くせ!負けても後悔しない戦いをしろ!なんていう発想。
これがシュートで終われ!っていう考え方に結びつく。(松木安●郎はこれの連呼ばかり)

もちろん外したとしてもシュートで終わる意味はある。それは相手に脅威を与える。
あわよくば入る。ゴールラインを割ることで攻めていった人員が戻る時間がある。

シュートを撃てば、最低限みんな納得してくれる。
振り切れば文句を言わないだろう。惜しい!とか言って慰めてくれる。

でも、違うのさ。大事なのはシュートを撃つ事じゃなくて、ゴールを決める事。
日本選手のシュートの下手さはどこから来てるのか。枠に行かないね。
筋力がないってのもそうだけど、点を獲る形がない。デルピエロの左45°みたいなもん。



つまり日本のストライカーていうのは
タマタマ発生する稀有な人材に頼るしかなかったってこと。

でもこれからはそうはいかない。

ストライカーっていうものを育てないと。

それは点を取るっていうことへの抵抗を失くす。
メンタリティの強化
ある意味ルーニー的な自分天動説なヤツも必要だ。

そしてどんな体勢でも点を取れるというテクニック、精度をあげる。
得点感覚の強化



4年は短い。

W杯を味わってしまった日本には自国の出ていないW杯は味気なくなるだろう。
アジア出場枠も減らされそうな昨今、しかも強敵カンガルーや上り調子の中国、タイ、若手世代が強い韓国、日本のハードルは高い。

4年後、そしてその先を見据えた選手育成を心掛けてほしい。
オシムもその先の監督もJFAも。