『ベルンの奇蹟』 「父さんもサッカーやるんでしょ・・・?」

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単館系のシネマ。
ドイツの映画である。


    『ベルンの奇蹟』


タイトルの『ベルン』とはスイスの地名であり、
1954年のスイスワールドカップの決勝が行われた地でもある。


11年のソビエトでの収容所暮らしから帰還した父は戦争の残した傷跡に誇りを失っていた。
マチアス少年とその家族との間に葛藤が起きる。

当時最強といわれたハンガリーに立ち向かい勝利していく西ドイツ代表。
その姿に西ドイツの人々は希望を見出して行く。

そしてマチアスも父も・・・。


『グッバイ・レーニン』で結構ツボにはまったドイツ映画だがこれもいい!

敗戦のショックで歪んだ人間・社会。
子供たちは健気に生きていこうとしている。
そして大人たちは希望を失っている。
天気はよどみ人々の心を映し出しているかのようだ。

しかしワールドカップでの西ドイツの勝利に伴い、
人々の様子が変わって行くさまが見ていて嬉しくなる。

戦争という黒い鉤爪に引き裂かれた
人間の弱さ脆さとそれに抗い立ち上がる強さを感じることの出来る映画だ。


DVDでは特典として’54W杯の映像もついてくる。
サッカーファンとしても嬉しいところだ。